2022年5月28日 はれ。
こんにちは。「2ひきのねこ(長女と長男)」の父です。
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JT生命誌研究館名誉館長の中村桂子さんが、子育ての本質について説いてくださっています。
知性と優しさがあふれ出そうな文章を、久々に拝見しました。
抱いたり背負ったり歩くときには手をとり、じっと見たり参加したり
「私は、これほど自分の子どもをかわいがる人々を見たことがない。子どもを抱いたり、背負ったり、歩くときには手をとり、子どもの遊戯をじっと見ていたり、参加したり、いつも新しい玩具をくれてやり、遠足や祭りに連れて行き、子どもがいないといつもつまらなそうである」
プレジデントウーマン/イザベラ・バード「日本奥地紀行」(高梨健吉訳、平凡社東洋文庫)(元記事は→コチラ)
これは、イザベラ・バードさんが明治11年頃に日光で出会った親子を描いたものです。
イザベラ・バードさんは、明治13年に「日本奥地紀行」という本を出版したイギリスの女性です。
上記引用部分は、明治初期の日本人が、子供をとても大切にしていた様子が描かれていますよね。なんど読んでもなかなかよく、とても味わい深い文章です。
人間は、“みんなで”育てるように産まれてくる
人間は脳が大きくなったので、それが完成してからでは母親の産道が通れません。ですから早めに生まれます。しかも、脳を守るために脂肪をたっぷりつけて生まれますので、早産なのに体重は3キロもあり、ゴリラやチンパンジーなど他の霊長類の赤ちゃんに比べたら重いのです。ちなみにゴリラはお母さんは100キロもあるのに、赤ちゃんは人間より小さい1.8~2キロくらいで生まれてきます。人間の場合、お母さんがずっと抱き続けているには重すぎるので、離して寝かせておくことになりますし、しかも自分で歩けるまでには1年以上もかかるのです。ですから、人間の赤ちゃんはお母さんだけでなく、周囲の皆が面倒を見る共同保育をするように生まれるのだといえます。一人で寝かされていますから、泣いて自分の存在を知らせ、誰かに助けてもらおうとしますし、抱き上げてくれた人に向かってはニコリと微笑むのです。脳が大きいという人間の人間らしさを示すための最も大きな特徴は、皆で育てることとセットになっているのです。
プレジデントウーマン
子育て中に、もし何か困ったことがあれば、周りの人に相談してみるとよいと思います。
もし可能なら、「みんなで」育てられる環境が作れたらいいですね。
一人きりで抱えずに。