newsレビュー/「簡単な計算処理=基礎」との誤解

記事レビュー

2022年3月3日  はれ。

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こんにちは、「2ひきのねこ(長女と長男)」のです。

今日は「桃の節句」ですね。

本日取り上げますのは、石田浩一さん(開成中高元数学教師)と森上展安さん(森上教育研究所代表)の対談です。

島津父 × コモンセンス

――2022年首都圏中学入試は史上最多規模の受験比率でした。一方では、過熱した中学受験に対して批判的な意見も根強くあります。

森上 たとえば志望校の過去問を解くようなとき、ともすれば親がスパルタになりかねない場合もあります。虐待に近いことも起きかねません。「中学受験は悪い」と非難する声は、こうした部分を指すことが多いと思います。
 せっかくの受験がそのような事態に陥らないよう、よくよく注意しなければいけません。何のために中学受験をするのか。志望校に受かるためだけではなく、もっと長いスパンで考えないと、親が隘路(あいろ)にはまってしまいます。そうした事態を回避するには、コモンセンス(良識)を働かせないといけません。

Yahoo!ニュース/DIAMONDonline(元記事は→コチラ

志望校の過去問に、どうやって親が関与することを想定しているのかはわかりませんので、2つにわけてみます。

①内容面:「なんでこんなものも解けないんだ!」的な島津父? → 内容まで踏み込める親はさほどいないとは思います。しかし、もしそんな場面に遭遇したら、そんな親には「解けないから学んでいるのですよ」と勉強の意義を丁寧に教えてあげてください。

②形式面:「なんでこんな点数なんだ!」的な島津父? → ありがちですね。そんな親には「100点だったら伸びしろなくて困りますから」と優しく指摘してあげてください。

なんにせよ、大人としては、誰の心にも居る「島津父」に、お互い気をつけましょう! そして、子どもとしては、いろんな大人をよく観察して色々と学んでいきましょう。

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ちなみに、我が家ですと、先日、

父が「そろそろ、ごはん、ちゃんと食べたら??」と言いましたら、

長女は「もっと優しく言わないと、もう(父と)遊んであげないよ」と言ってきました。

頼もしい限りです。

三角形が書けない

石田 大学受験につながる大切な内容が、受験算数の中にたくさん含まれています。でもそういった将来につながる、この時期に身に付けていないといけない基本が弱くなっていることも感じています。
 例えば図を書くという作業。いま主に中高生を指導していますが、10年前と比べても図が書けなくなっています。三角形を書くように言うと、おにぎりの形を描きます。「それ以外の三角形も」と言うと、何を言われているのか分からない子がいます。自分が書いた三角形以外にも、色々なバリエーションがあること自体がカラダの中に入ってきていません。そういった子は、図形問題で正しく条件を表す図を書くことができなくなります。

同上

なるほど…三角形が書けないレベルだと、なかなか積みあげていくのがたいへんだと思います。

そういった「基本」は、低学年までには身につけておくとよいのではないでしょうか。

「簡単な計算処理=基礎」との誤解

石田 教える側の姿勢が影響している側面もあると私は思っています。先生の側が、解き方を覚えて後は練習をすれば良い、という指導をしてしまっていると、子どもの側が受け身になってしまうという問題です。
 そこには、簡単な計算問題が処理できることが“基礎・基本”なのだという誤解があると思っています。よくあるのが、数学の先生が問題集を渡してノートを提出させる、それを3回、4回と繰り返す。中学でよく見られる指導です。生徒は当然、ヘロヘロになります。しかしまずこれは数学ができる子にとってはつらく、無駄な作業にほかなりません。

同上

「『簡単な計算問題プリントをひたすら処理する』ことに大切な人生の時間を費やす」メソッドが、世間的にはわりと支持されているようでして、

しかし、その理由のひとつは、「そういった手法が流行ってしまっているがゆえに『赤信号、みんなで渡ればこわくない』的なものになっている」かもしれず、そうだとすると仕方ないのかもしれません。

親御さんとしては、(良いか悪いかは別として)「効果が目に見える」から、安心するのかもしれません。

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いろいろと考えさせられる記事でした、ありがとうございます。

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